みなさま、こんにちは。
いよいよ春到来し、新生活が始まった人も多いのではないでしょうか。
4月と言えば、新卒の社員が組織に入ってきたり、新年度に合わせて人事異動があったりします。ドキドキしながら新しいスタートを切る人がいる一方で、彼らを迎え入れる側の人も同様に数多くいるかと思います。
今回は「【働き方改革】見直すべき福利厚生とは」と題しまして福利厚生とはそもそも何か、現状の福利厚生をどう見直せばいいのかをお伝えしようと思います。
「福利厚生」とは、給与や賞与といった基本的な労働対価に加えて、従業員とその家族に提供する報酬を指します。
従業員向けの福利厚生としては、雇用保険、労災保険など、従業員が安心して働けるように用意しているものの他に、業務用PCの貸与といった従業員が日々働きやすい環境を作るという目的で用意しているものがあります。
福利厚生の恩恵を受けるのは従業員だけではありません。
例えば健康保険の掛け金を従業員だけでなく企業も負担することで、従業員とその家族は毎月の出費を軽減しながら、いつでも3割負担で医療を受けられます。
従業員の家族に向けた福利厚生は、毎日を安心して暮らせるように備えるという側面が強いと言えるでしょう。
高度経済成長期とそれに続くバブル経済期では、日本中どの企業も、どの会社員も、新卒で入社した企業に定年退職の日まで勤め続けるものだと思っていた時代です。
しかし、その後の日本経済の長期低迷によって、新卒で入社した企業に定年退職まで勤める「終身雇用」が叶わなくなっています。
つまり、新卒で入社した企業に何年か勤めた後、自分から辞める、あるいは企業の業績が傾き、辞めざるを得なくなるということが起こっているのです。
そこで近年、各企業は福利厚生を充実させることで、中途採用で優秀な人材に自社を選んでもらおうと苦心しているのです。
そして人手不足の昨今、自社で育てた人材が突然辞めてしまったら職場が混乱し、業績が落ちる可能性があります。最悪の場合は、辞めてしまった人の後を追って、何人も辞めてしまうということもあり得ますよね。
福利厚生を充実させることで、従業員が安心して働くことができ、仕事がやりやすく、仕事を通して成長できそうだなどと思ってもらう。つまり「とても良い職場だ」と思ってもらい、従業員をしっかり定着させる。さらに、優秀な人材を採用する際のアピールポイントにしようといった企業の思いがあります。
企業の福利厚生を利用できるのは正社員はもちろん、その企業で働いているパートタイマー、有期雇用の労働者、派遣労働者も利用できます。
正確に言うと「正社員と業務内容が変わらない非正規雇用の労働者」が当てはまります。
これは、2020年4月1日に施行となった改正「パートタイム・有期雇用労働法」と、改正「労働者派遣法」が義務づけたものです。
事業者は、正社員と非正規雇用の社員が「同一労働」なら、「同一賃金」で応えるだけでなく、福利厚生などの待遇も同一にしなければならなくなりました。
福利厚生の種類は大きく分けて以下の2種類に分類できます。
- 法定福利厚生
- 法定外福利厚生
まずは、それぞれの違いを理解しておきましょう。
法定福利厚生とは、「法律で義務付けられた」福利厚生です。
法定福利厚生はどの企業にも設けられている最低限の福利厚生制度であり、法定福利厚生がない場合は法律違反となります。
法定外福利厚生とは、「法律に関係なく企業が独自に設けることのできる」福利厚生です。
その種類は多種多様で、どのような制度を導入するかは企業の自由です。
近年では企業理念に沿ったユニークな法定外福利厚生で注目を集める企業もあります。
働き方改革によって働き方の見直しが行われ、多様な働き方ができる社会になりつつあります。
働き方改革とは、働く人がそれぞれの事情に応じて多様かつ柔軟な働き方を自分で選択できるといったものです。
また近年では、働き方だけでなく家庭環境も大きく変化しています。
女性の社会進出の割合が高くなり、結婚、出産後も働く女性が増え共働き世帯が増えました。
さらに、少子高齢化によって生産年齢の人口が減り、生産性が落ちる可能性が考えられますが、同時に定年後も働くことを希望する60歳以上のシニア層も増えてきています。
このように企業は「少子高齢化による生産年齢の減少」や「定年後の雇用」、「働くライフスタイルの多様化」に対応し福利厚生の見直しをしていく必要があります。
働き方、働く人が多様になれば、福利厚生に対するニーズも変わってきます。
すべての従業員が偏りなく使うことができる福利厚生というものはなかなか選定が難しく、企業も悩む部分でしょう。
魅力的な福利厚生であっても、使うことができない従業員がいては不公平となります。
平等に使うことができるよう福利厚生の見直しをすることは、企業にとっても従業員にとっても有意義なことです。
それでは、福利厚生の見直し方法についてご紹介するにあたって、まずは福利厚生の見直しが必要となる背景について、詳しくご紹介をしましょう。
総務省が1987年と2017年に世帯構造と労働力の変化を比較する調査を行いました。
その結果によると30年間で専業主婦は3割低下し、共働き世帯が6割以上となりました。この結果から、働く女性が増えていることがわかります。
このことは1986年に施行された男女雇用機会均等法も影響していると考えられます。
また、1991年には育児・介護休業法も成立し、出産後も働きやすい社会になってきたと言えるでしょう。
正社員や、パート・アルバイトとして働く女性が多くなっているのです。
また、65歳を過ぎても働きたいと考えている方が全体の6割以上のいるとの調査結果もでています。定年後も働く人が増えているのです。
こちらも60歳の定年後でも働き続けられる「高齢者雇用対策法」という法律の施行が起因します。
このように働く女性が増えたことや定年後も働き続ける高齢者が増えることで、福利厚生の内容が合わず、うまく活用できない層が生まれてしまうおそれがあります。
長年変えずにいた福利厚生も、利用者層の変化に合わせて在り方や種類を見直す必要があります。
働き方が多様化するということは、ライフスタイルも変化、多様化しているということです。
この影響で、従来の考え方に基づいて設計された福利厚生制度では、現状に合わなくなってくるおそれがあります。
例えば、最近は仕事とプライベートは明確に分けたいと考えている人が多く、社員旅行やイベント等を休日に行う福利厚生は好まれない傾向があります。
確かに旅行やイベントには、仕事から離れた場で従業員同士がコミュニケーションをとり絆を深めるといったメリットがありますが、開催前から開催後までの準備が膨大で担当者の負担が大きいというデメリットもあります。
現代のライフスタイルに合わない福利厚生制度は、場合によってはマイナスの影響を与えてしまいます。
このような制度の見直しを進めて、誰もが活用しやすい福利厚生制度を充実させられれば、会社へのロイヤリティを高めるなど、プラスの効果が見込まれるでしょう。
福利厚生の見直しをして企業に対する満足度を高めることは、企業の生産性を上げることに繋がるのです。
具体的に福利厚生を見直す際の手順についてみていきましょう。
福利厚生の見直しには、現在の福利厚生がどの程度従業員に浸透しており、どの程度使われているのか把握する必要があります。
あくまで一般的な例ですが、以下のような手順を踏んでいくといいと言われています。
福利厚生の利用率は定期的に確認する必要があります。
利用率のチェックによって、あまり利用されておらず見直しをすべき福利厚生と、利用率が高く存続すべき福利厚生がはっきりとします。
ただし、利用率が低いからといって、安易に廃止すべきではありません。まずはその要因を考る必要があります。
福利厚生の利用率が低い要因は一体何でしょうか。
例えば、家族旅行のホテル代金を一部会社が負担する福利厚生があったとします。
この福利厚生を使用するには、まず利用する前に会社に1回目の申請、利用後に領収書を添えて2回目の申請が必要と定められているとすると、1度の利用のために2度の申請が必要です。
これでは手間がかかりますよね。
いくら従業員にとってメリットである福利厚生でも、手間を嫌って利用しない従業員もいるでしょう。
こういった要因がないか、細かく把握することが重要です。
見直しを通じて改善点を見つけ、どのような点を改善したら従業員が使いやすくなるのかを分析することも企業の務めです。
コストはかかるが利用率が低いものや、コストがかかる割に利用者が満足していない福利厚生も、積極的に見直すべきものです。
単純に費用対効果を算出することは難しいですが、各福利厚生にかかるコストと、前述の利用率調査やこれからご紹介する満足度調査などと併せることで、ムダがないか精査することは重要です。
また、旅行のようなイベント開催では、個人ごとの持ち出しがかかってきます。
個人の持ち出しが多い福利厚生はお得感も少なく、使いたくないと感じる従業員もいるでしょう。
企業側、従業員側ともに、どれくらいのコストがかかるのかも見直しをする際のポイントです。
福利厚生の見直しをする際には、従業員の意見も積極的に取り入れるべきです。利用率などからでは見えてこない「満足度」を把握する必要があるからです。
従業員の満足度が低いものは、優先的に見直しを進める必要があります。
満足度が高い福利厚生を提供することができれば、モチベーションの向上など、企業にプラスの影響をもたらします。
福利厚生の見直しについてご紹介しました。
企業によってさまざまなものがある福利厚生ですが、使われていないものや満足度が低いもの、従業員の中に広まっていないものも多くあり見直しが必要なこともあります。
また、運営にコストがかかるもの、労力が必要なものもあります。
ただ、一から自社で新たな制度を作るのは大変です。
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また弊社では、その他にもたくさんの福利厚生メニューをご用意しております。
弊社での福利厚生サービス内容は、こちらをご覧ください。
是非この機会に、従業員の満足度を考えてみましょう。