【SDGs】NO.3 すべての人に健康と福祉を

みなさま、こんにちは。SNS担当TAKAHASHIです\(^o^)/

今回は『SDGsの目標を1つずつ考えてみた』第三弾!!!

 

え?いつものタナカさんは・・・?はい、レアキャラです。本ブログ初登場です。

今後もたま~に出没します← 以後お見知りおきをm(_ _)m

 

 

NO.3 すべての人に健康と福祉を

『あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する』を取り上げていきます。

 

例えば。。。
サハラ以南のアフリカ地域では、2人に1人の子どもが、かぜで肺炎になっても治療を受けられません。
※肺炎、げり、マラリアで治療が受けられない子ども

  1. 2030年までに、赤ちゃんがおなかの中にいるときや、お産のときに、命を失ってしまうお母さんを、2030年までに、生まれる赤ちゃん10万人あたり70人未満まで減らす。
  2. すべての国で、生まれて28日以内に命を失う赤ちゃんの数を1000人あたり12人以下まで、5さいまでに命を失う子供の数を1000人あたり25人以下まで減らし、2030年までに、赤ちゃんや幼い子供が、予防できる原因で命を失うことがないようにする。
  3. 2030年までに、エイズ、結核、マラリアや、これまで見放されてきた熱帯病などの伝染病をなくす。また、肝炎や、汚れた水が原因で起こる病気などへの対策をすすめる。
  4. 2030年までに、予防や治療をすすめ、感染症以外の病気で人々が早く命を失う割合を3分の1減らす。心の健康への対策や福祉もすすめる。
  5. 麻薬を含む薬物やアルコールなどの乱用を防ぎ、治療をすすめる。
  6. 2020年までに、交通事故による死亡やけがを半分にまで減らす。
  7. 2030年までに、すべての人が、性や子どもを産むことに関して、保険サービスや教育を受け、情報を得られるようにする。国はこれらを国の計画の中に入れてすすめる。
  8. すべての人が、お金の心配をすることなく基礎的な保険サービスを受け、値段が安く、かつ質の高い薬を手に入れ、予防接種を受けられるようにする(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)
  9. 2030年までに、有害な化学物質や、大気・水・土壌の汚染が原因で起こる死亡や病気を大きく減らす。

実現のための方法として

  1. すべての国で、たばこを規制する条約で決められたことが実施されるよう、必要に応じて取り組みを強める。
  2. 主に開発途上国で大きな影響を及ぼす病気に対するワクチンや薬の開発を助ける。また、国際的な約束や宣言にしたがって、安い値段で薬やワクチンを開発途上国にも届けられるようにする。
  3. 開発途上国、特に、最も開発が遅れている国や島国で、保険に関わる予算と、保険サービスに関わる職員の数や能力、その人達への研修を大きく増やす。
  4. すべての国、特に開発途上国において、その国や世界で健康を脅かす危険な状態が発生したときに、それにすばやく気づいて知らせ、危険な状態を減らしたり、対応したりする力を強める。

今回は出産と感染症・予防にフォーカスしていきます。
まずは出産についてです!

世界の出産を取り巻く現状

まずは、世界の妊産婦や子どもを取りまく現状を見てみましょう。

妊産婦死亡率

世界保健機関(WHO)の発表によると、世界の妊産婦死亡数は年間30万3,000人であり、妊産婦死亡率は0.216%(妊産婦10万人に対して216人)であることがわかりました。これは、毎日830人が出産により死亡している計算になります。最も死亡率が高いシエラレオネは1.36%、次いで中央アフリカ共和国0.88%、チャド0.85%、ナイジェリア0.81%と後に続きます。

開発途上国における妊娠・出産が、いかに危険か伺えます。

 

特に多い5歳未満児の死亡

年間540万人が5歳未満で亡くなっており、そのうち生後1か月以内の新生児が半分を占めています。死因の多くは予防や治療が可能な出産時の合併症や感染症です。

また、サハラ以南のアフリカの新生児死亡率は、高所得国の9倍にものぼり、貧富の差が死亡率に大きな影響を与えていることがわかります。このように、妊産婦や小さな子供の死亡の多くは開発途上国で起きています。

 

妊産婦・子どもの主な死亡理由

特に、開発途上国で妊産婦や子供の死亡率が高い理由について、4つの要因が挙げられています。

  • 若すぎる出産

妊産婦・子どもの死亡率が高い開発途上国では、出産リスクが高い青年期(10~19歳)の出生が多いことが国連広報センターから報告されています。

開発途上国では年間730万人の18歳未満の少女が出産しており、そのうち15歳未満での出産は200万人、そして年間7万人の少女が妊娠と出産の合併症によって亡くなっています。

女性の身分の低さ、児童婚が合法化されている、極度の貧困による圧力、などが若すぎる出産と死亡をもたらしています。

 

  • 家族計画の不足

家族計画の普及が進んでいないことが要因で、母子の健康が損なわれる一因になっています。

家族計画とは?・・・「カップルが出産のタイミングや子どもの数を考え、自発的に妊娠・出産を計画すること」を意味し、そのために必要なリプロダクティブ・ヘルス(性と生殖に関する健康)を守るサービスや、避妊・受胎促進に関する性教育も含まれます。特に、貧困地域では家族計画に関する保健医療サービス(人工中絶や妊婦健診など)が不足しており、身分の低い女性が教育や医療ケアを受けられないケースが多く、死亡率が高くなる原因となっています。

 

  • 医療環境と保険サービスの未発達

医療環境や保健サービスが不十分な貧困地域では、必要な処置を受けられずに死亡する母子が多くいます。

母子を守るためには、妊娠前・中・後のケアが重要だと言われています。

例えば、妊娠前に風疹のワクチンを接種し、妊娠中には定期的に検診を受け、出産には訓練を受けた助産師が立ち会い、出産後には母子の健康状態を都度確認することが、母子の命を救うとされています。

しかし、開発途上国では近くに医療施設がなく、医者や看護師が少ない地域が多く存在します。

そのような地域では、自宅出産が数多く行われ、知識のない介助者が多量出血などに対応できず、母子の命が失われることは珍しくありません。

 

  • 感染症対策の遅れ

HIVやマラリアなどの感染症にかかっている女性が出産すると、敗血症などの合併症リスクが高いと言われています。

また、感染症にかかっている母親の子どもは、低体重で生まれる可能性が高く、健康に生まれても重度の感染症(敗血症や破傷風など)にかかり死亡する恐れがあります。ユニセフによると感染症による死亡は、新生児死亡の36%を占めています。

 

ここで、感染症についてもフォーカスしていきます。

無くならない感染症・伝染病の脅威

SDGsのターゲットとしてエイズ(HIV)、結核、マラリアの感染症対策が挙げられていますが、この3つは世界三大感染症と呼ばれており、感染力の高さから毎年多くの人が感染して死亡していること、対策を行うには一国だけでは難しく、世界各国が協力しなければならないことなどから大きな問題として取り上げられています。

エイズ/HIV
エイズは「後天性免疫不全症候群(Acquired ImmunoDeficiency Syndrome)」の略称であり、HIV(ヒト免疫不全ウイルス:Human Immunodeficiency Virus)が体内にあるリンパ球に感染することで起こる病気です。
エイズを発症することで体内の免疫力が破壊されて免疫機能が低下します。免疫機能は体の健康を維持するためになくてはならないものですが、免疫機能が低下すれば感染力や症状が弱い病原菌やウイルスが体内で猛威を奮いだします。
これによって様々な症状を引き起こして合併症で人命を奪っていきます。その感染力は凄まじく、2016年の時点で世界での感染者数は3,670万人であり年間180万人の新規感染者を生んでいるとされます。
そしてエイズを発症して亡くなる人が100万人と言われており深刻な問題となっています。HIVは血液や精液、膣分泌液に多分に含まれており、母乳、髄液にも含まれます。
そのため輸血などの血液製剤の使用、注射器の共用、性交渉、授乳により感染することがあります。接触感染や空気感染はしないものの、性交渉や授乳による感染で広がってしまい、今も世界中で特に途上国での感染、死者数を増やしている状況です。
(出典:世界保健機関(WHO)「HIV/AIDS」,2019)
(出典:厚生労働省NIID国立感染症研究所「AID(後天性免疫不全症候群)とは」,2018)

HIVは日本にも関係のない話ではないんです!
平成29年に日本国内で報告されたHIV 感染者 は976 件で、AIDS 患者は 413 件の合計 1,389 件もの報告がされています。
このうちHIV 感染者の 87.9%に当たる857人は性的接触による感染とされていて、「これまで以上に効 果的な予防啓発とそれを推進する積極的な対策が望まれる。」とエイズ予防情報ネットの公開資料でも明記されており、予防教育の重要性が今切実に問われています。

 

結核
結核は結核菌が肺に侵入し内部で増殖することで咳や痰、発熱、呼吸困難など風邪のような症状を起こすことが多いため、初期は風邪と間違えやすいですが、肺以外にも腎臓やリンパ節、骨、脳など様々な臓器が冒されることがあり影響を及ぼします。
その感染経路のほとんどが、菌が気道深くに侵入し感染して増殖を始める経気道性であり、空気中に漂う結核菌を取り込んでごく稀に到達することで発症します。
結核は必ずしも発症する病気ではなくその人の免疫力に左右され、免疫力が低下している状況だと肺へ到達しやすくなり感染する恐れがあります。
感染により髄膜炎を併発してしまうと、現代医療でも30%が死に至り、治療が成功し治ったとしても後遺症を残すことがあります。
さらに小児の場合は症状が現れにくく、全身に及んで重篤な結核につながる可能性もあると言われています。日本では2018年におよそ1万5000人の結核患者が登録されました。
世界で見ても2016年時点で結核患者が1,040万人、死亡数は130万人となっており多くの人々を苦しめ命を奪っています。
(出典:厚生労働省「健康・医療 結核(BCGワクチン)」,2019)
(出典:厚生労働省NIID国立感染症研究所「WHO Global Tuberculosis Report 2017」,2017)

 

マラリア
マラリアは、マラリア原虫をもつ蚊(ハマダラカ)に刺されることで感染する病気です。
ハマダラカは熱帯や亜熱帯地域に生息しているため、マラリアに感染する地域も限定的とされています。感染すると1週間から4週間の潜伏期間がありその後発熱や寒気、頭痛、嘔吐、関節痛、筋肉痛といった症状を発症します。
2018年には年間約2億2,000万人がマラリアにより感染し、推計で43万5,000人が死亡しています。また、熱帯、亜熱帯地域への渡航などにより日本でも60人前後の輸入感染症が報告されています。(出典:厚生労働省検疫所FORTH「マラリアに注意しましょう!」)

世界三大感染症以外にも顧みられない熱帯病も問題視されています。

顧みられない熱帯病(NTDs)

顧みられない熱帯病(NTDs)は熱帯や亜熱帯地域を中心として世界149カ国で蔓延している17の疾患をまとめた疾患群のことを指します。
この疾患群は感染することで視力を奪い治ることのない傷を体につけ、あげくは体を変形させて宿主を弱らせていく病気です。大都市のスラムや最貧国で暮らす何億もの人々が感染し、その割合は感染が報告されている国や地域の約70%だと言われています。
NTDsの要因は、清潔さを保てていない飲料水や整備が不十分な上下水道の衛生環境、粗末な住居環境によるものとされており、熱帯や亜熱帯地域に住む貧しい人々を襲っているのです。
(出典:国連開発計画 駐日代表事務所「結核、マラリア、顧みられない熱帯病の根絶を目指して:UNDPと日本政府の取り組み」)
(出典:厚生労働省検疫所FORTH「2017年04月21日更新 顧みられない熱帯病に対する今までにない進展-WHO報告」)
顧みられない熱帯病(NTDs)17の疾患群

  • デング熱
  • 狂犬病
  • トラコーマ
  • ブルーリ潰瘍
  • フランベジア
  • ハンセン病
  • シャガース病(アメリカ・トリパノソーマ症)
  • ヒト・アフリカ・トリパノソーマ症(眠り病)
  • リーシュマニア症
  • 条虫症および神経嚢胞症
  • メジナ虫症
  • エキノコックス症
  • 食品由来の吸虫症
  • リンパ系フィラリア症
  • 真菌腫(Mycetoma)
  • オンコセルカ症(河川盲目症)
  • 住血吸虫症
  • 土壌伝染性蠕虫症
水系感染症

水系感染症とは、水道や飲料水など水を媒介として病原菌に感染することにより起こる病気です。
水道水などは急速ろ過と塩素消毒により、原水中微生物をほぼ全て除去できますが完全に除去できるわけではありません。水の中に感染症の原因となる病原菌が含まれている場合、水系感染症にかかる恐れがあるのです。特に塩素消毒が効かない原虫類が問題視されています。
ただし基本的には不衛生な環境や水によって感染することから水や衛生環境を整えておくことで拡大を防ぐことが可能と言われています。
水道だけでなく人の排泄物を経由しても感染することがあり、水系感染症の中でも特に代表的な病気に下痢や肺炎、コレラ、A型肝炎、腸チフスなどがあります。
(出典:国立保健医療科学院「開発途上国における水系感染症とその実態」)

 

SDGsと妊産婦・子どもを救う取り組み/感染症対策

世界で行っている具体的な取り組みとしてセーブ・ザ・チルドレンとJICA(国際協力機構)を例に挙げると・・・
セーブ・ザ・チルドレン
子ども支援活動を行う、民間・非営利の国際組織です。現在、日本を含む29カ国の独立したメンバーが連携し、約120カ国で子ども支援活動を展開。
取り組み内容・・・ミャンマーの妊婦健診環境を整えるために、農村で活動する補助助産師を育成する研修を提供しています。これにより、妊婦健診を受けられる妊産婦が徐々に増えています。

JICA(国際協力機構)
独立行政法人国際協力機構(JICA/ジャイカ(注))は、日本の政府開発援助(ODA)を一元的に行う実施機関として、開発途上国への国際協力を行っています。
(注)JICA/ジャイカはJapan International Cooperation Agencyの略称
取り組み内容・・・JICAによる母子手帳プロジェクトがあります。
日本で作られた母子手帳は、母子の健康に大きく貢献しています。JICAではこの母子手帳制度をインドネシアに普及させ、今ではインドネシアの妊産婦の6~8割が使用するまでになりました。

SDGs目標3では「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」を掲げていますが、そのためには三大感染症、顧みられない熱帯病、水系感染症の根絶や対策は不可欠であり、これらの感染症や伝染病への対処だけでなく、根本的に人々の健康を守る必要があるのです。
そこでユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の実現が重要視されています。UHCは「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」のことを意味しています。

目標3ではUHCの達成がターゲットの1つとして位置づけられており、全ての人が基礎的な保健医療サービスを適切な費用で受けられることで貧困に陥るリスクを未然に防ぐことが必要だとされています。
そのためにもサービスを提供する保健人材の育成や、病院・人材育成学校といった施設や機材の整備、水や衛生環境の改善などが世界で求められています。

日本は幸いにもマラリアや顧みられない熱帯病の脅威にさらされにくい環境です。しかしエイズや結核に関しては日本でも猛威を奮い、水系感染症もその感染リスクを多分に含みます。
また、世界で多くの人がこれらの感染症や伝染病に苦しめられ命を落としており、それに紐づくように貧困や医療不足なども原因で世界で年間30万件を超える妊産婦の死亡と、500万人以上の5歳児未満の尊い命がなくなっています。

しかし、問題の中心地ともいえる開発途上国では貧困や医療不足、女性の地位の低さなどが影響し、解決は簡単なことではありません。
SDGsをはじめとした様々な活動が世界中で行われ、改善している地域もあります。2030年まで時間が迫る中、私達一人ひとりが出来ることは何があるのか、一度考えてみる必要があります。
世界で苦しむ人たちを救うせめてもの手助けとして、治療や対策を行う団体に寄付をするといった活動を起こすことも1つの方法です。
まずは世界の現状や病気に対する理解を深め、私たちにできることを1つずつ行っていくことで、SDGs目標3の達成にも貢献することができるのです。

ZEROBASEの取り組み


弊社では、社員一人ひとりの健康が、企業の活性化と持続的成長につながると考え、社員が健康で働ける職場環境の整備と、健康意識を高める活動を推進しています。
健康を維持し、高齢になっても働き続けることのできる会社、ワーク・ライフ・バランスの向上による、働きがいのある職場の提供を推進しています。

 

SDGsの取り組みに対する理解を深めると同時に、SDGsウォッシュについても考えなければいけません。SDGsウォッシュに関する記事も一緒にご覧ください。
SDGsウォッシュとは何か