【基礎】サプライチェーンとは

みなさま、こんにちは。SNS担当タナカです。
この業界にいるからこそ知っている情報や業界用語をお伝えしようと思い、第一弾が前回のブログでチラッと出てきた
【サプライチェーン】を今回は取り上げようと思います!

サプライチェーンとは

サプライチェーンは、直訳すると「供給連鎖」という言葉になります。

ある製品を作る際の「原材料の仕入れ」からはじまり、「材料の加工」「部品の組み立て」などを経て、消費者の手に渡るまでの供給の流れ全体を指した言葉がサプライチェーンです。
原材料を販売している企業、部品の加工や組み立てを行っている企業、実際に製品を消費者に届ける販売店だけでなく、その間の物流を請け負っている運送会社などもサプライチェーンに含まれます。

また、製品が消費者へ届くようにサプライチェーンを流れていくのに対して、お金と情報は反対方向へ流れていくのも特徴です。

具体的には「原材料・部品調達 → 生産 → 物流・流通 → 販売」という一連のプロセスの連鎖のことを指します。
これはサプライチェーンに関わる業者・人間の側面で見れば、「サプライヤー → メーカー → 物流事業者 → 卸売事業者 → 小売事業者 → エンドユーザー」という流れのことです。

サプライチェーン・マネジメントとは

サプライチェーン・マネジメント(SCM、供給連鎖管理)とは、調達、製造、物流、小売といった、商品が製造されてから、消費者の手に届くまでの一連の流れを、最適化することを指します。
商品が製造されて、消費者の手に届くまでには、複数の企業や複数の部門を経由しながら、商品と資金が流れていきます。その際、それぞれの企業がそれぞれのやり方で生産工程を行ってしまうと、材料の過不足や、リードタイムの増加など、生産工程においての多くのムダが発生してしまいます。

そこで、一連の流れを結ぶ情報を共有することで、物流と資金の流れを最適化し、リードタイムと業務効率の改善を目指す考え方が、サプライチェーン・マネジメントです。

消費者の消費行動の変化により、生産方法が大量生産から、多品種少量生産に変化している現代において、サプライチェーン・マネジメントの重要性は、ますます高まっています。

中でも需要予測は非常に重要とされていて、これが適切にできていないと在庫管理が適正化されず経営を圧迫してしまいます。
そこで、サプライチェーン全体で需要予測に関する情報共有を行うことで、過剰在庫を防ぐことができます。
必要なモノを、必要なときに、必要なだけ供給する「ジャスト・イン・タイム」がサプライチェーンマネジメントの基本なのです!

サプライチェーン・マネジメント導入で期待できるメリット
在庫の適正化

「売れる分だけ作る」という考え方で生産を行うと、販売計画を基に生産計画が立てられるので、極力無駄な在庫を削減することができます。
また、販売情報を常時共有することにより、急激な需要増加があった場合にも、在庫切れを回避することができます。

 

リードタイムの短縮

販売計画が中心となった生産計画では、販売時の在庫切れによるリードタイムを削減することがきます。
また、物流の最適化により、過剰在庫や在庫不足によるリードタイムの削減が行えます。製造においても、材料不足によるリードタイムの削減が回避できます。

 

コストの削減

在庫の最適化により、無駄な物流がなくなり、物流コストが低く抑えられます。また、過剰在庫が極力減らせるので、倉庫の管理コストも低く抑えられます。
また、商品だけではなく、材料や部品の調達における、物流コストや、倉庫の管理コストについても削減することができます。

 

サプライチェーンマネジメントが注目される背景

近年多くの企業でサプライチェーンマネジメント(SCM)の構築・再構築が進んでいます。
なぜサプライチェーンマネジメントが注目されているのか、大きくは以下の3つが考えられます。

 

企業のグローバル化

企業のグローバル化が進み、生産、調達、販売をめぐる世界規模のネットワークが張りめぐらされている昨今。
グローバルな生産・物流プロセスの中では、各プロセスの情報を一元的に管理して全体最適を図らないと競合に後れを取ってしまう!!!
このような状況下において、サプライチェーン全体でモノ・カネ・情報の流れを連携管理する必要性が高まっていることが、サプライチェーンマネジメントが注目される理由の一つです。

 

労働環境の変化

少子高齢化による労働人口の減少などの影響で、人手・人材不足が深刻化しています。
また、労働条件の問題などから、物流の配達員(トラックドライバー)も不足しています。
このように労働環境が変化している状況で、各企業はより効率的な物流の在り方を求められています。
サプライチェーンマネジメントによって、仕入れ量を適正化して無駄な物流を省いたり、卸売企業、販売店舗などへの配達のタイミングを最適化する必要があると言えます。

 

ビジネスモデルの変化

アマゾン、楽天市場などインターネットを利用した通信販売(EC)が普及し、販売と配送が一体化したビジネスモデルの台頭が著しい!
今やほとんどのアパレルブランドがECに対応し、家具・家電などの大型商品も含めて、ECで購入できるモノは幅広いですよね。
フードデリバリーも充実してきており、出前非対応のレストランの料理を専門の配達員が配達する「UberEATS」や「Foodpanda」などという新しいサービスも登場しています。
このように、ビジネスにおいて販売と配送が切っても切り離せない時代となっている以上、サプライチェーンマネジメントによって、統合的な管理体制を構築することが求められています。

まとめ

サプライチェーン・マネジメントの本質は、「売れる分だけ作る」ということです。決して生産の効率化ということだけではありません。
それは、売れないモノをいくら効率よく生産しても意味がないからです。そのために、材料の調達から、消費者の手に渡る販売までの情報共有が必要不可欠なのです。

消費者の行動の変化により、求められるサプライチェーン・マネジメントは変化します。
多品種少量生産時代になり、サプライチェーン・マネジメントの重要性に注目が集まっておりますが、大量生産時代にも、部分最適化というその時代に合ったサプライチェーン・マネジメントの方法がありました。
近年では、ブロックチェーン技術をサプライチェーン・マネジメントに応用し、書き換えリスクを回避したトレーサビリティを実現する取り組みも始まっています。
このように、サプライチェーン・マネジメントは、特定のあるやり方を指す方法ではなく、時代に合った生産方法を、消費行動を含めて最適化していくやり方そのものなのです。