コントラスト比とデザイン改善のポイント

こんにちは。デザイナー・M U D(メディアユニバーサルデザイン)アドバイザーの冨田です。今回はコントラスト比についてご紹介します。
Webデザインにおいて、コントラスト比は視認性を高め、すべてのユーザーに情報を届けるために欠かせません。
コントラスト比が低い状態は、特に視覚的な情報を認識しづらいユーザーにとって大きな障害となります。高齢者や視覚障害を持つ方、または反射光で画面が見えにくい状況では、文字やデザイン要素が視認しづらくなるからです。

コントラスト比の基準とその役割

Web Content Accessibility Guidelines (WCAG)では、文字と背景色のコントラスト比について以下の基準が設けられています。

・レベルAA:コントラスト比は最低4.5:1を確保する。
・レベルAAA:さらに厳しい基準で、7:1以上が必要。

7:1以上のコントラスト比は特に高齢者や視力が低下したユーザーに対するアクセシビリティをさらに向上させるものですが、すべてで満たすのは難しい場合があります。まずは4.5:1を確保し、重要な部分では7:1を目指すと良いでしょう。

具体的な課題と解決策

1. 色の選択とコントラスト比の確保
文字色と背景色の組み合わせに注意し、明度差や彩度を十分に確保することが基本です。例えば、リンクやボタンでは通常時は適切なコントラスト比を満たしていても、マウスオーバー時に色が薄くなり、視認性が低下するケースがあります。このような設計は避け、どの状態でもコントラスト比が十分であることを確認する必要があります。

2. UIコンポーネントの視認性向上
ボタンや入力フォームなどのUI要素でも、コントラスト比を考慮することが重要です。隣接する色とのコントラスト比を少なくとも3:1以上確保することが必要です。これにより、すべてのユーザーがUIを直感的に操作できるようになります。

3. 文字の調整による視認性向上
コントラスト比が十分に確保できない場合でも、文字の大きさや太さを調整することで視認性を補うことができます。特に小さなフォントサイズではコントラスト比の不足が目立つため、重要な情報を伝える場合にはフォントを大きくすることも効果的です。

4. 色の刺激を抑えるデザイン
コントラスト比が高すぎると、発達障害や光刺激に敏感なユーザーにとってストレスになる場合があります。そのため、真っ白(#FFFFFF)な背景や真っ黒(#000000)な文字の組み合わせを避け、やや明度を抑えた黒や薄いグレーを活用すると良いでしょう。また、彩度の高い色を大きな面積で使うと刺激に敏感な方の負担になることがあるため、控えめに使用するか彩度を調整する工夫が必要です。

Figmaでコントラスト比をチェック

Figmaは多くのプロフェッショナルに利用されるデザインツールです。
デザイン段階でコントラスト比をチェックするためには、Figmaで以下のようなプラグインが利用できます。

• Contrasthttps://www.figma.com/community/plugin/748533339900865323/contrast
• Text Color Contrast Checkerhttps://www.figma.com/community/plugin/1223151482923676830/text-color-contrast-checker
• Starkhttps://www.figma.com/community/plugin/732603254453395948/stark-contrast-accessibility-checker

Adobe Colorの活用

Adobe colorhttps://color.adobe.com/ja/create/color-contrast-analyzer)のアクセシビリティツールを活用することもおすすめです。
使用するカラーのチェックはもちろん、「カラーの読み込み」から画像のカラーコントラスト比も確認することができます。

4.まとめ

コントラスト比は、アクセシビリティ向上の基本であり、すべてのユーザーに情報を届けるために欠かせません。達成基準を意識し、さらにアクセシビリティを向上させる工夫を行いましょう