Web制作におけるユニバーサルデザインとは? デザインの要点をご紹介!

Webサイトが「わかりにくい」「使いにくい」と感じたことはありませんか。その要因の一つに「ユニバーサルデザイン」の考え方があります。

ユニバーサルデザインとは、文化、言語、年齢、性別、障がいの有無などに関わらず、どのような人でも使いやすいようにデザインする考え方です。これにより、利用できる状況の幅を広げて特定の状況での使いやすさを高めることが可能となります。

目次

1.ユニバーサルデザイン「7原則」

2.文字を読みやすくする

3.カラーユニバーサルデザイン

4.高齢者の色の見え方

5.まとめ

1.ユニバーサルデザイン「7原則」

先進的な企業は、ユニバーサルデザインに積極的に取り組んでいます。その理由は、多くの国でユニバーサルデザインが求められているからです。

(注意:すべてのガイドラインが、どのようなデザインにも当てはまるとは限りません)

引用元:https://www.kenken.go.jp/japanese/research/hou/topics/universal/7udp.pdf

近年、小学校でのデジタルデバイスを使った授業やシニア世代のインターネット利用の増加により、さまざまな年齢や色覚異常などの身体的な問題を持つ幅広いユーザーがウェブを利用しています。

また、国際社会におけるダイバーシティ(多様性)の確立があり、ダイバーシティはSDGsの目標と深く関連しています。

SDGsが目指す、「誰もが取り残されない、持続可能な社会を作る」ことを実現するためにも、ユニバーサルデザインは今後さらに重要となり、注目を集めるでしょう。

2.文字を読みやすくする

文字は、視認性・判読性・可読性の3つが深く関係しています。

視認性:文字の形がわかりやすい
判読性:誤読しにくく、見分けやすい
可読性:文章が読みやすい

 

フォントの種類や文字組みの工夫で、読みやすさが変化します。

一般的にUDフォントが最も読みやすいとされています。「BIZ UDフォント」はGoogle Fontsで利用可能です。

行間にも気を配り、1.5文字分は確保しましょう

3.カラーユニバーサルデザイン

「カラーユニバーサルデザイン(CUD)」とは、色覚の多様性に配慮し、情報の正確な伝達を促すための色の設計を指します。人間の色覚は生まれつき異なり、病気や老化によっても変化します。CUDでは、これらの多様な色覚に対応し、より多くの人が利用しやすい配色でデザインします。

【色覚に特性を持つ人】

日本人男性の約20人に1人、女性の約500〜600人に1人が、色の差を見分けられなかったり配色の意図を正しく認識できない「色弱者」であるといわれています。

色弱にも種類があり、赤色と緑色が似て見える「赤緑色弱」が一般的です。また、非常に稀ですが、青色と黄色が似て見える「黄青色弱」というタイプの人も存在します。

【色覚シミレーションについて】

Adobe PhotoshopとAdobe Illustratorでは色覚シミュレーションを行うことができます。制作の際は、カラー設計に色弱者の見え方も考慮しましょう。

4.高齢者の色の見え方

高齢者の目の水晶体は茶色になっていきます。そのため、まるで茶色のレンズのサングラスを通して色を見ているようになり、識別が難しくなります。

  • 老化により眼球のレンズや網膜に変化が生じ、色やコントラストの識別能力が低下する。
  • 青色の光が到達しにくくなり、青色・黄色・グレーが見づらくなる
  • 水晶体が茶色っぽくなるため、黄色が白のように見える

 

見えにくい色の組み合わせ・配色

・グレーと黒色、緑色と黒色など
・青色と茶色、青色と緑色など
・水色とベージュ、水色と薄い灰色
・白色と黄色、白色と薄いピンク

※色の組み合わせは一例です

高齢者が見やすい色・配色

・濃い色

・鮮やかな色

・コントラストがはっきりとした配色

 

まとめ

ユニバーサルデザインを意識することで、様々な特性を持つ人々が快適に利用できるだけでなく、一般ユーザーへのユーザビリティの向上も目指せます。

パソコンやスマートフォンなどの端末、その他さまざまなユーザーの環境によってウェブサイトの見え方は異なります。この多様性に対応し、すべてのユーザーが使いやすいデザインを実現するために、ユニバーサルデザインは不可欠なのです。

デザイン現場ではユニバーサルデザインの導入が難しく感じられることもありますが、どんな人にも優しいデザインを目指すことは社会を良くする一歩です。是非、積極的にデザイン業務に取り入れていきましょう。