【基礎知識】<2025年の崖>今更聞けない“ DX ”とは何か、簡単解説!

みなさま、こんにちは!SNS担当タナカです👩

最近、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」という言葉を、よく聞きませんか🤔?

「DX」という言葉が誕生したのは、2004年のこととされています。
しかし、最近の新型コロナウイルスの感染拡大で注目が集まり、一気に経営のキーワードになりました💡

流行語にはなりましたが、「DXって何?」「IT化とどう違うの?」という方も多いと思います。

今回は、いまやビジネス業界で当たり前になりつつあるワード「DX」について、簡単に解説します🙆‍♀️

DXは何の略?

DXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)の略です。

調べてみるとDXと表記されるのには理由があるようです。

英語ではTransformationの“Trans”は交差するという意味があるため、交差を1文字で表す「X」が用いられているとのこと。
つまり「Transformation=X-formation」と扱われDigital TransformationがDXと省略されるのです。

得意げに他人に吹聴するような知識ではありませんが、知っていると少しお得な気分になれますね😆

DXとは

先述のとおりDXとは、Digital Transformationの略語です。
Transformationは「変容」という意味なので、DXを直訳すると「デジタルによる変容」となります👍
デジタル技術を用いることで、生活やビジネスが変容していくことをDXと言います。

DXに関する厳密な定義があるわけではありませんが、経済産業省では、「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」において、以下のようにDXを解釈しています。

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

このように、DXはビジネス用語として定着しつつあります💁‍♀️
データやデジタル技術によって、製品やサービス、ビジネスモデルを「変革」してこそDXと言える点がポイントです💫

『デジタイゼーション』『デジタライゼーション』との違いと関係性

デジタルトランスフォーメーション(DX|Digital Transformation)と似た言葉に
「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」があります。

どちらも日本語に直訳すると「デジタル化」という意味ですが、シーメンスPLMソフトウェアの事業戦略を例に挙げるとそれぞれ意味合いが異なります💨

「デジタイゼーション」は、ある工程で効率化のためにデジタルツールを導入するなどの部分的なデジタル化。
一方、「デジタライゼーション」は、自社および外部の環境やビジネス戦略面も含めて長期的な視野でプロセス全体をデジタル化していく取り組みです🕺

2つの言葉には局所的・全域的なデジタル化という大きな違いがありますが、“人々の生活をより良いものへと変革する”デジタルトランスフォーメーションは一企業の取り組みを超えた社会全体までにリーチするものです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を含めた3つの言葉の関係を時系列で並べると下記のようになります。

  1. アナログ情報をデジタル化する局所的な「デジタイゼーション」を行う
  2. プロセス全体もデジタル化する全域的な「デジタライゼーション」で新たな価値を創造
  3. その結果として社会的な影響を生み出すのが「デジタルトランスフォーメーション」

それぞれの言葉をさらに分かりやすくするために、カメラを例にして具体的に解説すると下記のようになります。

フィルムカメラがデジタルカメラになるツールのデジタル化が「デジタイゼーション」。

“オンライン上で写真データを送受信する”というプロセスまで含めたデジタル化が「デジタライゼーション」。

その結果として新たなサービスやビジネスの仕組みが生み出され、SNSで写真データをシェアする文化という社会的な影響をもたらすことまでを「デジタルトランスフォーメーション」と考えるとわかりやすいと思います。

つまり「デジタイゼーション」は「デジタライゼーション」を目標としたときの手段であり、
「デジタライゼーション」は「デジタルトランスフォーメーション」を目標としたときの手段といった関係性です🙌

DXとIT化は何が違うのか

結論から言ってしまうと、DXとIT化の違いについて、明確な線引きはありません。
また最近はIT化の代わりに「デジタル化」という言葉が使われることが多くなりましたが、IT化とデジタル化もほぼ同じ意味と考えて良いと思います。
イメージとしては、デジタル化の方が、意味的な範囲が少し広いかなという程度です。

強いて違いを挙げるならば、DXとIT化は「目的」が違うと言えるかもしれません。IT化の主な目的は業務の効率化です🔥

例えば、今まで帳簿付けをノートに数字を書いて電卓で計算していた会社が、パソコンを導入して表計算ソフトや会計ソフトウェアなど使うようになりました。その結果、経理業務が短時間で済むようになったならば、IT化による業務の効率化です。
業務の基本的な性格(役割)は変わっていないけれど、IT(情報技術)によって業務が大幅に効率化した・生産性が向上したということで、企業にとって大きなメリットがあります🥰

一方、DXの「X」はトランスフォーメーション(変革)なので、業務などの「変革」が踏まれていなくてはなりません。
例えば、会計ソフトのデータを、顧客管理や原価管理にフィードバックするような活用する業務フローをつくり、組織の「変革」につなげていくようなイメージです。

もちろん「DX」でも業務の効率化は重要なテーマです。それがコスト低減による競争力向上や、リモートワークなどの働き方改革につながる、ビジネスモデルや業務の「変革」を目的としていれば、それは「DX」と言えるのではないでしょうか🤔

しばしば「IT化は『戦術』であり、DXは『戦略』である」と言われます。
企業の戦略やビジョンのなかにデジタル技術をどう取り入れていくかが、DXのポイントになります。

なぜ今、DXが注目されているのか?

DXが注目を集める理由の1つに、経済産業省が2018年に発表した『DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~』で指摘されている「2025年の崖」問題があります。

このレポートでは、

  • 既存基幹システムの老朽化に対して、デジタル市場の拡大とともに増大するデータ
  • メインフレームの担い手の高齢化による世代交代の必要性
  • テクノロジーの進化に伴う先端IT人材の不足

など、2025年を節目に多くの問題が企業の前に立ちはだかると警鐘を鳴らしています。

DXレポートの中で強調されているのが『2025年までにシステム刷新を集中的に推進する必要がある』ということ。
もしも対策を取ることができずに放置してしまった場合は、「既存システムのブラックボックス化」「膨大なデータを活用できない」といった問題から下記のようなシナリオを想定しています。

2025年までにシステム刷新を行えなかった場合に想定されるシナリオ
  1. 市場の変化に合わせて柔軟かつ迅速にビジネスモデルを変更できず、デジタル競争の敗者になってしまう
  2. システムの維持管理費が高額化することで技術的負債を抱え、業務基盤そのものの維持・継承が困難になる
  3. 保守運用の担い手が不足することで、サイバーセキュリティや事故・災害によるシステムトラブルやデータ滅失などのリスクが高まる


(出典)DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~/経済産業省

また、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、企業を取り巻く環境が急激に不安定化しました⚡
同年12月に経済産業省が発表した『DXレポート2(中間取りまとめ)』では、迅速な環境変化への対応やシステムのみならず企業文化も合わせて変革していくことを企業が取り組むべきDXの本質的な課題と捉えています。

さらに近年では脱炭素(カーボンニュートラル)やGX(グリーントランスフォーメーション)への注目が高まっており、
企業や業界、業種といった枠組みを超えた取り組みを実現するための方法としてもDXは重要視されています👀

DXを実現するためのテクノロジー・技術【IoT・AI・5G・クラウド】


DXを実現するために必要な技術を具体的にみていきましょう。

  • IoT(Internet of Things/モノのインターネット)
    スマートスピーカーやスマートホーム、自動運転車など、近年急速に実用化が進んでいる先端テクノロジー
  • AI(Artificial Intelligence/人工知能)
    収集した大量のデータ(ビックデータ)から判断の仕方を学習し、単純作業などを行う先端テクノロジー
  • 5G(第5世代移動通信システム)
    既存のネットワークより、「高速性」「低遅延」「多端末接続」などが可能
  • クラウド
    インターネット上にあるサーバーが提供する機能をネットワーク経由で利用者が手元のパソコンやスマートフォンで利用する形態。ソフトウェア、サーバー、ストレージなどのインフラを持っていなくても、インターネット経由でそれらの機能を利用できる仕組み
  • 現状では約1割の企業しか本格的にDX推進できていない

    帝国データバンクが2021年12月に行った調査によると、「本格的なDXへの取り組みができている企業は約1割にとどまる」という結果が出ています。

    この調査によると、DX推進に向けた取り組みを実施している企業は8割を超えています。しかしながら、「オンライン会議設備の導入」や「ペーパーレス化」など、DX実現の初期段階の取り組み(単なるデジタル化)にとどまっている企業が多いことが浮き彫りになっています。

    一方で、「既存製品・サービスの高付加価値化」「新規製品・サービスの創出」のような本格的な取り組みを進めている企業は1割にとどまっていることが分かります😱

    参考:帝国データバンク「DX推進に関する企業の動向アンケート」

    DXを推進したい気持ちはあっても、抜本的な改革に乗り出せていない企業が多いことが分かります👐

    DXの取り組みを始めよう

    日本企業のDXは進んでいない状況といえます。2020年12月28日の経済産業省のレポートでも、「日本の企業のDX推進の取組は、全く不十分なレベルにある」と明記されています。

    参考:経済産業省「DXレポート2 中間取りまとめ」

    しかしながら、多くの企業がDX推進できていないからと言って、安心していてはいけません。新型コロナウイルスの状況下でデジタル化に対応した企業と、そうでない企業の間で差が広がっていることも懸念されます。柔軟に環境変化に対応し、デジタル競争に取り残されないようにしなければなりません💪

    2021年には「産業競争力強化法」の法改正が行われ、全社レベルでのDX計画に対して税額控除が受けられるようになりました。こうした制度もぜひ活かしながら、早急に企業内でDXを推進していく必要性があります🍀

    まとめ

    DXは「主に業務のIT化によって既存のビジネスモデルに変革を起こし、ビジネスの競争における優位性を確立すること」です。

    闇雲なIT化、データの乱用、なんとなくのアプリケーションの導入がDXではなく、その施策が既存のビジネスモデルからどのように変革を起こし、ユーザーに新しい価値を届けることができるかを基準に考えるのが肝要です。

    今やユーザーは世界中のサービスをインターネットを通じて受けることが可能になりました。
    加速度的に効率化、省略化されていく世の中の環境変化に対応していくためにも、DX戦略を行うことが今後のビジネスシーンにおける必須課題と言えるでしょう🙆‍♀️