【SDGs】と【オリンピック】

みなさま、こんにちは。SNS担当タナカです!
東京五輪・パラリンピックの開幕まであと少しですね。

私が生まれる約30年前に行われた1964年(昭和39年)開催の前回の東京オリンピック
日本の経済も大きく変化したと聞きます。
半世紀(50年)以上も経て行われる今回の東京2020大会、この機会に日本がどのように変化するのでしょうか。

今大会は、夏季五輪としては初めて、本格的に「国連持続可能な開発目標(SDGs)」を踏まえた大会となります。
SDGs時代にふさわしいサステナビリティ(持続可能なあり方)を織り込んだ五輪・パラリンピックを、東京2020大会ではどのように作り上げようとしているのか
今回の記事では具体的に取り上げていきたいと思います!

コンセプトと5つの主要テーマ

東京オリンピックの持続可能性コンセプトは“Be better, together”(より良い未来へ、ともに進もう)です。
このコンセプトのもと、次の5つの主要テーマが掲げられています。

「気候変動」「資源管理」「大気・水・緑・生物多様性等」「人権・労働、公正な事業慣行等」「参加・協働、情報発信」
このテーマに沿ってそれぞれ持続可能性に配慮した運営計画が立てられています。

気候変動対策

SDGsの気候変動対策として、東京2020大会ではCO2の排出量削減に向けた取り組みが行われます。

具体的には、既存の会場を使用することで会場整備における環境への負荷を減らします。
オリンピック会場のおよそ6割は既存の施設が使われる予定で、新たに建設される会場については、省エネルギーを高水準に保ち、CO2削減を図る計画が立てられています。

競技会場やプレスセンターなどで使用する電力は、100%再生可能エネルギー電力を使用することを目標にしています。
再生可能エネルギー電力とは、石油や石炭、天然ガスではなく、太陽光や風力、地熱など自然界に存在するエネルギーのことです。

 

大気・水・緑・生物多様性等

大気・水・緑・生物多様性等は、自然共生都市の実現に向けた取り組みです。
例えば、競技会場におけるろ過施設の導入や、雨水の活用等による水資源の有効利用などを図ります。また、在来植物を使って競技会場を緑化し、生態系の維持を図ります。

暑さ対策では、効果的な空調方式の導入や、建物の屋上や壁面の緑化、遮熱性舗装の導入、既存樹木を使った緑陰の確保など、さまざまな取り組みがなされます。

 

参加・協働、情報発信

持続可能性に配慮した東京2020大会を実現するために、オリンピック関係者をはじめ、多くの組織、団体、個人とのパートナーシップを築く活動を行います。
東京2020大会における持続可能性に関する取り組みを積極的に発信し、社会に知ってもらうことで、持続可能性に関する人々の理解を高めます。

参加・協働、情報発信の取り組みの1つに「東京2020参画プログラム」があります。東京2020参画プログラムとは、スポーツに限らず、文化芸術や地域での世代を越えた活動や被災地への支援などを行うイベントです。

 

資源管理

東京2020大会では、再生資源を活用して資源の使用量を減らすことを目標にしています。
資源は、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を徹底して、廃棄物の処理で生じる熱やエネルギーを回収して持続可能な資源利用を図ります。

具体的には、食品ロスの削減や容器包装の削減、調達物品や廃棄物のリユース、リサイクル率のアップなどを図ります。

 

人権・労働、公正な事業慣行等

人権・労働、公正な事業慣行等では、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に則した人権の保護や尊重、救済を行います。
また、ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の意識を共有し、広める活動を行います。
ダイバーシティ(diversity)は多様性や1人ひとりの違いという意味で、インクルージョン(inclusion)は、包括・包含、受け入れる・活かすという意味です。
東京2020大会は、D&Iの考え方を多くの人と共有できるよい機会といえるでしょう。

具体的な取り組みと項目
メダル

オリンピックと言えば、金・銀・銅のメダルですよね!

やはり、多くのアスリートがこの金・銀・銅のメダルの獲得を目標に
競技に挑むのでしょう。

東京2020大会では約5,000個のメダルが必要になります。

そのメダルを、使用済みの携帯電話やスマホ・家電製品などを集めて
そこから少しづつ取れる“リサイクル金属”から作るというプロジェクトを実施しました。

これはオリンピック・パラリンピック史上初の試みだそうです!

このような物の再生利用は環境系社会課題の解決に繋がります。
SDGsの17のゴールで該当するのがコチラ

NO.12 つくる責任 つかう責任
『持続可能な消費と生産のパターンを確保する』

表彰台

メダルの他にもオリンピックの代名詞と言えるのが表彰台ですね。

これまでは軽くて、頑丈で、安く作れるプラスチックを使用して作られてきた表彰台が
東京2020大会ではリサイクル可能な木材を再利用して作られます。

言わずもがなですが、プラスチックは処分のやり方を間違ってしまうと
たちまち環境汚染、、特に海洋プラスチックごみ問題の代表格となってしまうものになってしまいます。

SDGsの17のゴールで該当するのがコチラ

NO.14 海の豊かさを守ろう
『海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する』

持続可能性に配慮した調達コード

東京2020大会では、大会の準備・運営において調達が必要な全ての物品に持続可能性(サスティナビリティ)への配慮を求めた
「調達コード」というものを定めているのです。

調達コードとは

東京2020大会の開催において必要になる物資、
例えば『出場選手たちが口にする選手村の食事で使われる材料』
などが挙げられますが、
それらの物資を調達するにあたり「安いから」という理由だけでなく、
公平・公正性等に配慮し、持続可能性にも配慮した調達を行うために策定されたもので、
調達する物品やサービスに共通して適用する基準や運用方法で構成されているコードです。

調達コードの目的

東京2020大会は、この調達コードに基づいて物資やサービスを調達することで、
SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる持続可能な社会の実現に向けて、
この調達コードと同様の取り組みが拡大し、
広く社会に持続可能性を重視する姿勢やSDGsそのものが定着するよう働きかける。

そんな目的を掲げたオリンピック・パラリンピックとなるのです。
今回この調達コードを調べて思ったことは、まさしくサプライチェーンだな、ということ。
(サプライチェーンに関することを書き始めると長くなるのでまた後日。。)

まとめ

東京2020年大会ではメダルの数や競技結果だけでなく、サステナビリティに関わる大会のあり方も世界中から注視されること、
さらにはサステナブルな社会全体のあり方も世界に示す役割があることを、私たちは忘れてはならないでしょう。
そしてSDGsは発展途上国、先進国の全世界が対象で「誰一人取り残さない」を理念に持続可能なより良い社会の実現を目指しています。未来に誇れる東京2020大会になることを期待したいですね。
加えて会社やビジネスにおいても扱っている商品やサービスが持続可能性に配慮しているのか。オリンピックを目の前に控えた今、見直すべきものになってきています。